Jukai / Installation
- 2022年12月1日
- 読了時間: 3分
更新日:3月31日

Statement
「巡礼」という意味を持つ Pilgrimage は、森を巡るフィールドワークを通して、アウトドアとは何かを改めて問い直すプロジェクトです。
自然の魅力を享受しながらアウトドアを楽しむことは、人間と自然とのバランスの取れた関わりの中でこそ成り立つものです。同時に、その自然を維持していくためには、私たち自身が向き合うべき多くの課題も存在しています。この活動は、そうした問いを実際のフィールドに立ちながら考えていく試みでもあります。
今回の舞台は、富士の麓に広がる 樹海。
幾度も足を運ぶ中で、この森の多層的な表情が少しずつ見えてきました。
溶岩の大地から隆起する力強い木の根、露出した火山岩、そして他の森では見られないような独特の気配。
時には禍々しさすら感じさせる景観も、この森の特徴のひとつです。
しかし、そのイメージだけが強調されることで、不法投棄や悪戯、あるいは「自殺の名所」といった側面ばかりが語られてきたようにも感じられます。
一方でフィールドワークを通して見えてきたのは、噴火によって生まれた地形に広がる青々とした苔、そこに根を張る力強い樹々、そして樹海と共に生きる人々の営みといった、もうひとつの森の姿でした。
このプロジェクトが提示する視点は、森という大きな問題の中のほんの一部に過ぎません。日本の森林環境には多くの課題があるはずです。
それでも、この活動がきっかけとなり、自然やアウトドアとの関係について改めて考える小さな契機となれば幸いです。
Pilgrimage は、以下のメンバーによる共同プロジェクトとして進められています。
Shinnosuke Tashima(空間デザイン )
Takuya Nagata(写真)
Tatsunosuke Murano(植物作家)
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多くの方の協力のもと、今回の展示を無事終えることができました。
今回のフィールドは、富士の麓に広がる樹海。
この森は、富士山の噴火によって流れ出た溶岩の上に生まれた、独特の地形と生態系を持つ場所です。
露出した岩の凹凸や、溶岩を掴むように広がる木の根。その景観はときに荒々しく、どこか禍々しさすら感じさせます。

しかし、その強いイメージが独り歩きすることで、この森は長いあいだ「樹海」という言葉とともに、負の印象を背負わされてきたようにも思えました。
実際に何度も足を運び、森の中に身を置いてみると、そこにはまた違った景色がありました。噴火によって生まれた地形の上に、青々と広がる苔。
静かに根を張り、時間を重ねていく樹々。
そして、その森とともに営まれてきた人々の暮らし。
ひとつの森をこれほどまでに意識して見つめたことは、これまでありませんでした。
植生や生態系、そして森を取り巻く社会的なイメージまでも含めて考えることは、自然を見る視点を少し変えてくれたように思います。

次のフィールドは、埼玉県の秩父。
秩父は古くから山岳信仰の文化が残る地域であり、神道的な自然観とも深く結びついています。
そこでは森と人、そして街がどのように関係しながら共存してきたのか。次の巡礼では、その時間の積み重なりを少しずつ辿っていけたらと思っています。

最近ふと、昔のことを思い出しました。
大学進学を考えていた頃、環境問題や自然に関わる研究に強い興味を持っていた時期がありました。
地元が田舎だったこともあり、子どもの頃はゲームよりも山の中で遊んでいる時間の方が長かったように思います。
結局その道には進まず、その関心もいつの間にか遠ざかっていました。
それでも今、こうして別の形で自然について考え、森の中を歩き続けていることに、自分でも少し驚いています。
大きなことをしているわけではありません。
ただ森の中を歩き、見て、考える。
それでも人生には、どこかで再び巡り合う問いのようなものがあるのかもしれません。
Pilgrimageは、その問いへ向かう、小さな旅の途中にある活動なのだと思っています。









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